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孤独の愉しみ方 森の生活者ソローの叡智

[著]ヘンリー・D・ソロー [出版]イースト・プレス

 服部 千佳子氏がソローの言葉を解説し、孤独を楽しむ方法、人間らしく生きる方法、シンプルに暮らす大切さについて知ることができます。

 

| ソローの生涯:2年間森で生活

 アメリカ合衆国マサチューセッツ州コンコードに生まれます。16歳のとき、奨学金を得てハーヴァード大学へ入学。大学卒業後、小学校の教師などを経て、ウォールデン湖の畔で自給自足の生活をはじめます。

 ギリシャ・ラテン文学やシェイクスピアをはじめとしたイギリス古典文学への深い造詣、そして自らの思索と実践から生み出された『ウォールデン 森の生活』『コンコード川とメリマック川の一週間』など数多くの著作があります。

 アメリカ先住民や民俗学、博物学、生態学への関心を深め、最晩年まで膨大な原稿を書き続けました。

 

| 名言1:孤独が一番

「みんな」という言葉にまどわされてはならない。
「みんな」はどこにも存在しないし、「みんな」は決して何もしてくれない。

しょっちゅう人に会いに行く。
そんな習慣がたがいの尊敬心を失わせる。

 

| 名言2:労働は最小限に

生活費を稼ぐために、起きえいる時間のほとんどを労働に費やすのは明らかに失敗だ。

一年間に六週間ほど働けば、生活費はすべてまかなえる。

人生にとって本当に必要な仕事など何もない。
人生を無駄にしながら生きてはならない。

金のためだけに仕事をする者は、欺かれているか、自分を欺いているかのどちらか。

 

| 名言3:世間に流されない

「世間の評判」の奴隷になってしまう人間がなんと多いことか。

 

| 本書の特徴:文字数が少ない

 本書はページあたりの文字数が極端に少ないです。見開き右ページに数行の名言、左ページにその名言の解説となっています。

| 目次

1 孤独が一番の贅沢(とびきり上等な孤独になれる時間を一日一回持つ。;孤独は、最もつきあいやすい友達である。それなのに、孤独はたいてい嫌われる。自分の孤独に手を差しのべよう。 ほか)
2 簡素に生きる大切さ(風向きが定まらないこの世で生き抜く方法が一つある。すべてを簡素にしておくことだ。;生きるのに本当に必要な食べものは無理せずとも手に入る。しかし必要以上を求めると飢えに苦しむ。 ほか)
3 心を豊かにする働き方(生活費を稼ぐために、起きている時間のほとんどを労働に費やすのは、明らかに失敗だ。;機械のように働かない。人間らしく生きるために。 ほか)
4 持たない喜び(人間は自分がつくった道具の道具になってしまった。;隣人が持っているからといって、家を買う必要はない。 ほか)
5 自然の教え(湖は人生よりはるかに美しく、人間性よりはるかに透明である。;自然の中で暮らせるというのは利益なのである。その利益は万人にひらかれている。 ほか)
 


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