[著]春日武彦 [出版]文藝春秋
世間では不幸や悲惨さを自分から選びとっているとしか思えない人たちがいます。なぜ、わざと不幸になろうとするのか?精神科医の著者が不幸を選ぶメカニズムを解説します。
| 不幸を選ぶのは大きな不幸を防ぐため!
「人生とは不幸と幸福が重なりあいプラス・マイナス、ゼロになる!」と予測するAさんがいます。Aさんは宝くじを買う前、あえて交通事故にあったり、転んだりします。
また、別の事例(著者が読んだ小説上の話)では、
飛行機事故に遭いたくない機長Bさんは、わざと飛行機の爆破予告のデマを流し、Bさん自身もワザと離陸した時にこけます。
なぜ、Bさんはわざわざデマを流し、こけたのか?
人間は1度起こったことは2度と起こらないと考えるからです。「飛行機爆破を予告すれば、もう2度と飛行機は爆破しない。」「1度こければ2度と離陸でこけない」、と。
| 不幸な行動は道理にかなったもの
世間では奇怪な行動を取る人がたくさんあります。例えば、
逆恨みをして知人宅で焼身自殺をしてしまう男性、犬4匹と一緒に中央線で人身事故で亡くなる男性、家族の遺体を床下に埋めたり、家の中に放置したままにしてしまうひと、熊にわざと食われて死んでしまう女性など。
一般人から見れば奇怪な行動でも、本人にとっては道理のかなった行動なのです。本書では奇怪な行動とその原因を追求します。
| 目次
第1章 理解しかねる隣人たち
不自然な人たち
ああ、そうですか
大晦日の電車
ほか
第2章 奇妙な発想・奇矯な振る舞い
幸運の法則
運勢曲線
不幸の先取りについて
ほか
第3章 悲惨の悦楽・不幸の安らぎ
熊に喰われる
虎と熊
二十六時間の誘拐
ほか
第4章 グロテスクな人びと
変人たち
狂気予備軍
供養する男
ほか
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