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危険な脳はこうして作られる

[著]吉成真由美 [出版]新潮選書

 「どうして凶悪犯罪者になってしまう」のかを解説した本。凶悪犯罪者の特徴を探って、深く考察する内容です。

  凶悪な人物になるには2つの要素が必要です。 「遺伝子」と「環境」。


| 人間の20パーセントは「反社会的」

 まず、「遺伝子」について。

 人間の約80%の遺伝子は社会的な人間になりますが、残り20%は反社会な人間になります。

 河口慧海著書「チベット旅行記上(もしくは下)」にも幼いチベット僧は常にほめられて育つので5人中4人はいい子に育つが、残りはそうではないと語っていました。


 

| 愛されない子供時代

 もう一つ凶悪な人物を作る要素「環境」。

 天才数学者ガンジスキーは全米各地の大学と航空業界および金融関係者に爆発物を送りつけ、多数の人を殺害しています。

  なぜガンジスキーはこのような凶悪犯になってしまったのか。

 幼少期は病院で過ごし、ガンジスキーの母曰く、「入院した後、感情をなくした」と。少年期も、母からの愛情があまりない状態で育ちます。 愛情のない環境で育つと、反社会的な思考が増幅していきます。

 

| 凶悪犯罪者が生まれるには

 「反社会的な遺伝子」と「愛情のない教育環境」が揃った時、凶悪犯罪者を生み出す仕組みが作られます

 

| 本書の特徴

 この本の残念な部分はシェイクスピアの作品に関する記述が多いことです。 シェイクスピアの作品は、人間の憎悪を繊細に表現しているのですが、シェイクスピアを薦めすぎではないかと思いました。
 
 なので、私はシェイクスピアの部分はさらっと流し読みしました。

 本書は、良い心を持ったまま人生で成功するにはどうすればいいのか、を教えています

 

| 目次

 Ⅰ孤独脳
 Ⅱストレス脳
 Ⅲシェイクスピア脳
 あとがき
 主要参考文献

 

| 余談

 著者(吉成 真由美)の夫はマサチューセッツ工科大学教授でノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川 進氏。

 2011年10月27日、利根川進さん息子の同大1年生の智さん(18)がキャンパス内の学生寮で死亡していたのが発見されました。警察は原因は自殺と断定しています。

 

| 関連書籍


 
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