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かいまみた死後の世界

[著]レイモンド・A.ムーディ・Jr [出版]評論社

 医学・哲学博士である著者が、瀕死状態から生き返った生還者たちにインタヴューし、死後の世界を探求します。著者は研究データから死んだ後の世界の解明に成功します。

 本書は全世界の注目を集めたベストセラーです。

 

| 死後の世界を研究:死は苦しみではない

 本書はエリザベス・キューブラー・ロスの著書「人生は廻る輪のように」の死後の世界に対する補足的な内容になっています。

 典型的な臨死体験は以下の様な順番で起こります。

1.死の宣告が聞こえる
 心臓の停止を医師が宣告したことが聞こえます。患者自身は身体を離れ、幽霊となり、患者の家族や医師に話しかけますが、誰も自分の存在に気づいてくれません。
 
2.心の安らぎと静けさ
 言いようのない心の安堵感がします。

3.耳障りな音
 ブーンというような音がします。

4.暗いトンネル
 トンネルのような筒状の中を通る。人によっては三途の川やお花畑を渡ります。

5.光の生命
 無条件の愛をくれる光の生命に出会います。光が自分の過去の人生をすべて見せてくれます。

6.境界あるいは限界
 死後の世界との境目を見ます。

7.他者との出会い
 死んだ親族やその他の人物に出会います。

8.蘇生
 他者からこの世に戻るよう促され、生き返ります。

 詳しくはWikipedia「臨死体験」へ。

 

| 自殺:暗黒の世界へ

 本書を読むと、私も早く死んでみたい気分になりました。ただ、著者いはく、自殺は苦しい世界への入り口だそうです。

 ムーディと丹波哲郎と地獄によれば、自殺に失敗した患者から臨死体験を聞くと以下のような答えが返って来たそうです。
  1. 自殺は実に不幸な行為であり、厳しい罰を受けるという暗示を受けた。
  2. 自殺と殺人の二つの行為だけは、決してやってはならないという気持ちになった。
  3. 自殺者に与えられる罰の一つは、自分が自殺したことによって他の人が苦しむのを見、実感することである。
  4. 自分の企てた自殺は、なんら問題の解決にならなかったばかりか、自らの生命を断つことによって無縁となるはずであった、その同じ問題に直面させられる。繰り返し繰り返し目前に再現され、ああ終わったと思うと、またはじめから同じことが繰り返される。
 上記のような研究から、著者は自殺を勧めていません。

 また、エリザベス・キューブラー・ロス氏も「自殺とは苦しみを来世に持っていくもの」と解釈し、自殺に否定的な立場です。

 

| 目次

1 死とは
2 死の体験
3 類例
4 疑問
5 解釈
6 印象


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