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ビルマとミャンマーのあいだ?微笑みの国と軍事政権

[著]瀬川正仁 [出版]凱風社

  「アジア最後の秘境」として旅行者の心を奪うミャンマー。反対に、街中にいる秘密警察が市民を厳しく監視する軍事政権国家ミャンマー。

 著者自身がミャンマーへ直接訪問し、その魅力と過酷な現実を捉えたリポートです。

| すべては占いで決める

 ミャンマーでは重要な事柄を決める際、占いが使われます。そのため、占い師の権力も高い。国の首都移転も占いによって決められたとの情報もあります。

 

| 政府の悪口を言うと禁固7年

 今の軍事政権を非暴力で対抗したノーベル平和賞受賞者、アウンサンスーチー氏について住民はしゃべることができません。アウンサンスーチー」、と呟いただけで逮捕されます。

 人前でついうっかり政権への愚痴を言ってしまうと、最高で禁固7年の罪になります。住民らは警察に捕まりたくないためスーチー氏を「あのおばさん」と別名で語ります。



 

| 本書の特徴

 本書は写真が非常に多いことが特徴です。本の価格が2000円と高いのも、カラー写真を多く掲載しているためでしょう。

 

| 余談

 その後、ミャンマーはアメリカによって外国と貿易ができなくなりました。そのため、景気が低迷。

 アメリカの要求通り自由選挙を実施し、アウンサンスーチーの自宅軟禁解除を行いました。その代わり貿易の自由化を再開しています。

 自由選挙の結果、アウンサンスーチー氏は国会議員に就任しました。

 しかし、国会の議席の大部分はまだ軍事政権が握っている状況です。

 

| 目次

1 ラングーン?黄金の寺院とリサイクルの町
強制両替はお済みですか?/東洋一/シュエダゴン・パゴダの動物たち/リサイクル都市/援助交際/ザ・コロニアル/キモノ/ビルマ人は二度許す/「あのおばさん」

2 中央ビルマ?古都マンダレーへの道
点と線の旅/幻の民族ピュー/肉を喰らう人々/ピーでピーになる/秘密の首都ネピドー/パゴダ責め/カメラマンたち/サッカー観戦/マリオネット文化/軍都メイミョー/インパールという悲劇/タキン党

3 来世と現世?バガン遺跡とインレー湖
ドライ・エリア/来世思想/国際観光年/ボッパ山のオカマ/湖に浮かぶ僧院/首長族/ネットカフェ/スロー・マッサージ/湖上ホテル

4 モンとカレンの大地?マイノリティの苦闘
外国人逆差別/不幸中の不幸/チャイティヨで虎狩り/アジアハイウェー/ホテル事情/消えゆくモン文化/マイノリティの気持ち/終着駅タンビュサヤ/キンペーターイ

5 シャン州・麻薬ロードを行く?国境に生きる人々
「援?ルート」/麻薬の都/コカン民族/麻薬の民の微笑み/金網の向こう側/タイ国境の町タチレク/チェントンの夢/中国国境の町マインラー

6 カチン州・イラワジ川紀行?イルカを巡る冒険
六〇時間の船旅/ゴールデン・チーク/サドンデス/野生のゾウ/イルカに会う/砂金掘り/カチンの都は暗かった/イラワジ川源流へ

7 チン州・いにしえのアジア? 辺境の住民
多民族チン/首狩り/焼き畑考/刺 青/ウシを珍重/ロンユー/いにしえのアジア/ブラックエリア珍道中

8 アラカン州・少数民族の現実? 差別の歴史
クラゲ特需/インド人/アラカン王国/少数民族の「階級」/ビルマの底力/西方浄土

 

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