[著]
城繁幸
入社3年以内に3人に1人の
若者が会社を辞める時代へ突入。
著者は離職率が増えている理由として、「若者と企業のミスマッチ」「年功序列」を指摘します。
| 年功序列が成果主義を破壊する
多くの若手社員が成果主義を求めますが、うまくいきません。なぜなら、日本には年功序列の風習が残っているからです。
例えば、ある大手企業の労働組合で賃上げに関する会議があるとします。ある若手社員が「我が社にも年功序列を取り入れて給料は能力によって決めるべきだ」と発言します。
しかし、年配の社員からこんな文句が。「今、首にされたら家と車のローン、どうやって返済したらいいんだ。成果報酬で給料が下がるくらいなら、このままの給料で十分だ」
大抵、労働組合の会合では若手より年配の社員のほうが圧倒的に多く、成果主義は反対されます。よって年功序列の給与形態は変わらないまま。
| 若者と企業のミスマッチ
高度成長時代、会社の言う通りに働けば、昇進していくシステムでした。しかし現在は、一生懸命働いても給料は上がりません。(会社の利益は株主に還元されます。)
若者は自分の理想の仕事と違うことに不満を漏らします。反対に、会社側は若者へ「わがままだ」「根性がない」と不満を漏らします。
「給料も上がらない」「毎日、嫌な仕事」、若者が辞める原因になっています。
| 転職市場・派遣労働
倒産していく企業も増え、失業者が街に溢れるため、転職市場も活性化。若者が会社を辞める要因になっています。また派遣労働も増えているため、ますます短期雇用の方向性に進んでいることが浮き彫りになりした。
| 派遣労働は35歳まで
よく聞く話ですが「派遣労働は35歳まで」。それ以上は契約更新をしてくれません。なぜか。能力ではなく年齢に問題があります。
日本の伝統的価値観である「年上には逆らえない」という風習があるためです。「職場の上司が年上の若手を指導できない」という理由で雇ってくれません。
| 今後の労働環境は見えない
「少子高齢化」「グローバル化」「貧困」。昭和時代にはあまり耳にしなかった要素が加わり、労働環境が今後も変化していくことは間違いないでしょう。
| 目次
はじめに 「閉塞感の正体」を見きわめる
第1章 若者はなぜ3年で辞めるのか
第2章 やる気を失った30代社員たち
第3章 若者にツケを回す国
第4章 年功序列の光と影
第5章 日本人はなぜ年功序列を好むのか?
第6章 「働く理由」を取り戻す
あとがき
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