[著]
石井 光太
ノンフィクション作家、石井光太氏が貧困の国へ行き、取材や体験を通して「
スラム・
路上生活・
売春」の3つのテーマを伝えるルポ。
著者は直接、現場に行き、取材を行う数少ない現場主義のライターです。著者が自ら体験した出来事や自ら見た光景をもとに取材しているのが特徴です。
| 路上で用を足すには
実際に著者自身がスラムで路上生活し、その時感じたことを生々しく実況しています。 その一例としてトイレ。
スラムの都市部で大便をしたい時、女性でも新聞紙を地面に敷いてスカートをたくしあげ、路上で行います。その後、女性は包んだ新聞紙を持ち歩いて町の中へ・・・。著者も「犬と同じ」と表現しています。
実際に著者も試しますが、踏ん張る時間が長いとトラックが突っ込んできたり、野良犬に噛まれたり・・・。まさに大便をする時はスピード勝負。
| 本書の特徴
貧困関する本は多く読んできましたが、他の本と違い「性」に関する記述が多いのが特徴。アダルトビデオのランク付けや入手経路まで紹介しています。
現地で撮ってきた写真や、イラスト、それに図表といったものを数多く使用し、現地で暮らす人々の生の光景を写します。
| 貧困の中の輝き
テレビなどでは貧困がもたらす「苦しみ」「悲しみ」だけを焦点にしぼり、伝えていました。
しかし、この本では貧困で苦しむ人が「どのように暮らしているか」に焦点を当てています。人々の笑顔をシャッターに収め、その表情の影に眠る素顔を映し出しています。
また、貧困の奥に潜む組織、社会をとらえ、貧困を多次元で考えさせてくれます。
| 目次
スラム編
第一講 スラムの成り立ち
第二講 人々の暮らしと性
第三講 表の職業・闇の職業
第四講 貧民の流入と流出
路上生活編
第五講 路上生活者とは
第六講 恋愛から婚姻
第七講 出産から葬儀
第八講 物売り
第九講 物乞い
第十講 ストリートチルドレン
第十一講 路上の犯罪
売春編
第十二講 売春形態と地域
第十三講 売春婦の実態
第十四講 性の国際化
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