本文へスキップ

気に入った本を書評する読書サイト

トップページ » 書評 » ネットカフェ難民と貧困ニッポン

ネットカフェ難民と貧困ニッポン

[著]水島 宏明 

 2007年流行語となった「ネットカフェ難民」という造語を作った水島 宏明氏が日本の底辺で生きる人を取材したルポ。

 なお、この著書をもとにして作ったテレビ番組、『NNNドキュメント’07 ネットカフェ難民~漂流する貧困者たち』は「日本民間放送連盟賞」番組部門・テレビ報道優秀賞を受賞している。














| なぜネットカフェ難民を選んだのか


 家賃を払えなくなり、家を追い出された人がまず思いつく「ホームレス生活」。しかし、足を止める。「さすがにホームレスになりたくない」と。結局、1時間100円の激安のネットカフェをホテル代わりに利用することに。

 

| 長期化するネットカフェ生活


 ネットカフェに住むと住所がなくなるため、まともな職に就くことができない。しかも生活保護も申請できなくなる。残された道はただひとつ。日雇い派遣。

 

| お金がない人からだまし取る


 最近になって「貧困ビジネス」という言葉がメディアによく取り上げられるようになりました。まだ「貧困ビジネス」が影を潜めていた頃、著書は貧困者を利用したビジネスについて詳しく説明しています。

 

| 部屋ではなく鍵を貸す不動産


 その一例が保証人不要のアパート契約。このアパートの契約は鍵の所有権のみを貸す仕組みになっています。家賃を滞納すると勝手に鍵が交換され、本人は部屋に入れません。ドアには「○日までに○○○○円」の張り紙が。

 契約者は2つの選択肢しかありません。  
  1. 家賃+高額な違約金を払う
  2. 部屋に置いてある財産を捨てて夜の街に消える
 詳しい動画ありました。

  


| 本書の特徴


 他の内容は違法な人材派遣会社グッドウィル(現在倒産)のウラ手口。生活保護費をピンはねする業者など。

 ネットカフェ難民になればどのような人生を送るのかを疑似体験できます。

 

| 関連書籍


 
スポンサードリンク